1.モーラー奏法の歴史
モーラー奏法は、南北戦争時のドラムコーの奏法をサンフォード・モーラーさんが1920年代に体系化した奏法です。 ドラムコーですから、ホルダーで体に吊るしたマーチングスネアをたたくので、レギュラーグリップを想定してます。 注目すべきは、スネアの打面が体のごく近くにあることで、セットドラミングの際のマッチドグリップでは前腕の延長として扱うスティックが、ここでは上腕からスネアの中心に向かって角度が付いた形でグリップされる点です。 この形だと、ストロークは肘の屈伸、手首の屈伸より前腕の回転が中心になるのは、自然なことです。 モーラー奏法の原点は、この前腕の回転を、脱力した腕で上腕基点で動かす手法です。 ですから、動作としては、 1)フルストロークのダウン 2)リバウンドからのタップ 3)アップストローク の3種類となり、この段階では内回転、外回転という概念はありません。 ですから、現在では外回転、内回転ダブルで叩かれているトリプレットは、 ダウン、タップ、アップ というシーケンスで叩きます。 、 2.セットドラミングへの進化 オリジナルモーラー奏法では、シンバルやタムを叩く手法がありません。 スネアも水平にスタンドに乗せられるようになり、マッチドグリップが出現しました。 スネアが遠くなったので、前腕の回転ではなく、肘と手首の屈伸で叩く奏法が一般になりました。 モーラー奏法もこれに対応する必要が出てきて、進化します。 上腕基点だった動きに肩の上下前後が加わり、大きな動きが出来るようになりました。 アップストロークは内回転ストロークに進化して、フリーグリップの採用と合わせてリバウンドを生かした連打が出来るようになりました。 「モーラー奏法では、外回転でアクセントを、内回転でノンアクセントを打つ」という常識はここから来ています。 ハイハットを叩くときに、外回転でダウン、内回転でアップを叩きますが、これはオリジナルモーラーそのものです。
by studio_do
| 2012-03-15 11:38
|
Comments(0)
|
カテゴリ
以前の記事
2023年 02月 2022年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 07月 2021年 02月 2020年 10月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 09月 2019年 07月 2018年 06月 2018年 02月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 06月 2016年 03月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2014年 07月 2013年 12月 2013年 04月 2012年 09月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2010年 12月 2009年 09月 2009年 03月 2008年 12月 2008年 05月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 04月 2006年 12月 2006年 10月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 10月 2005年 03月 フォロー中のブログ
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||