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モーラー奏法の歴史 フリーグリップの誕生

3.グリップの進化
 オリジナルモーラー奏法では、自然に伸ばした手をゆるく握って、そこにスティックを差し込みます。
 やってみるとわかりますが、このままだとリバウンドを拾うのに、握った手が邪魔をします。
 人差し指や親指がもう少し開いているとリバウンドを邪魔しないのですが、小指だけ握って、手は開くというのは不自然な形です。
 
 そこで、指を開くために小指も握らないグリップっが考案されました。 スティックは中指に引っかかっているだけです。
 これなら、スティックは自由にリバウンドすることが出来ます。
 オリジナルモーラーのようにスティックのリバウンドを前腕の回転でフォローする必要もなくなりました。
 
 もうひとつ特筆すべき点は、保持する指が小指から中指に移動したことで、スティックの振動を妨げなくなりました。
 スティックは両端を開放端として振動し、端から1/4の場所に振動節があります。
 ここなら触っていても振動を妨げません。 
 
 「フリーグリップにすると楽器の鳴りが良くなる。」というのは、スティックの振動を妨げなくなるということだと考えられます。

4.高速ドラミングへの対応
 オリジナルモーラーでは、高速になっていくにしたがって上腕の動きが小さくなり、前腕の回転だけで叩くようになります。
 どんどんとグラッドストーン奏法に近づいていくことになります。

 近代モーラーでは、フリーグリップの採用により、1ストロークで叩ける打数が増えました。
 ストロークの方法も単なる前腕の回転ではなく、より立体的な円運動(インフィニティ)に近づきましたので、肘と手首が逆相になるような(肘が開くときに、手首が内側に動く)動きが可能になりました。
 これにより大した重心移動もなく、腕全体を鞭のように使って高速のストロークが出来ます。
by studio_do | 2012-03-15 20:48 | 音楽 | Comments(0)
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