日本橋にある共立電子のキットで、ギターに内蔵させるためのプリアンプキットがあります。
単純な汎用オペアンプの小さな基板ですが、ボリュームに基板がくっついたとても使いやすい形をしています。 これを使うとマイクや電気楽器用のミキサーやエフェクタを簡単に作ることができます。 自分で回路が設計できるようになるためには、この基板の回路を理解する必要がありますので、解説しましょう。 図1にGETPRE-1の回路図を示します. ここでは、ボリュームをはさんでオペアンプが二つ載っていることが分かればOKです。前半部と後半部はほぼ同じ回路になっています。 入力がオペアンプのプラス側に接続されているので、「非反転増幅器」であると分かります。 オペアンプは、プラス入力とマイナス入力の差分を無限大に増幅する素子です。 ゲインを制限するために、マイナス側に出力を帰還させます。 これを負帰還といいます。 出力をそのまま帰還させるとゲインが1.0になります。 ここでは、抵抗分圧によって1/2を帰還させているので、ゲインは2.0です。 非反転増幅の特徴は、プラス入力をそのまま入力端子にすることで、入力インピーダンスが高くなることです。 ここで想定されている入力はエレキギターのピックアップなので、出力インピーダンスは500kΩ程度とかなり高いので非反転入力が適当です。 図3にキットでの実際の回路の前半部分を示します。 理想オペアンプは、プラスマイナスの両電源で動作しているので、ゼロボルトを中心とする音声信号を処理できますが、コンパクトエフェクタに9ボルト電池を二つも搭載したりdc/dcコンバータを搭載するのは「めんどくさい」ので9ボルト電池一つで動かします。 このままですと、マイナス側の信号が処理できませんので、中間の4.5ボルトを仮想グランドとするのが、R1,R2です。 C5,C7のコンデンサでDCカットして外界のゼロボルト中心と接続しています。 このカップリングコンデンサに溜まってしまった電荷を逃すためにR3,R5があります。 R3,R5を並列にした500kΩがこの回路の入力インピーダンスです。 これは、エレキギターの出力インピーダンスが200k〜500kΩ程度なのに合わせてあります. また、R5,C5でハイパスフィルタを形成してしまいます。 そのカットオフ周波数は、1/(2πCR)ですので、この場合は1.6Hz程度です。
by studio_do
| 2020-10-23 11:31
| 音楽
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