例えば、アコギやウクレレなら、 「こんな簡単なコードであの曲が弾けちゃいますよ。」 という誘い文句で講座が始まる。 カリキュラムは、 持ち方、ピックの持ち方、チューニング ストローク コード 練習曲 といったような手順である。 どーもこの手順が元凶ではないか。 問題は、「音楽を聴く」ことが組み込まれていないこと。 コードを聞き分けることも、リズムを聞き分けることも教えないままに練習曲を教えるとどうなるか。 音楽を聴くことをしなくなるのだ。 たどたどしい自分の演奏と先生のお手本だけが音楽になり、原曲を聴く能力が失われていく。 上達するのは、その時点でコードが聞き分けられ、リズムがわかる人だけだ。 ここ何年かで、初心者の人と話をしていて気がついたことがある。 何でも8ビートで弾くリズム音痴の人が多い。 コードは間違えないけど、使うべきベース音を間違えている人も多い。 これは、「声は聞こえるけど、音楽が聞こえない」耳になっているからとしか思えない。 ネットを探せば、大抵の曲は、歌詞とコードが見つかる。 コードチェンジの練習はできるけど、たとえばB7の6弦を開放のままで弾いてて平気だったりする。 弾けるようになった人たちは、楽器の音を聞き分けてコードを特定し、ベースの音を聞き分け、リズムパターンを特定することができる。 だから、初心者用カリキュラムを作るときにも、それらの聞き分けは出来ることが前提で作ってしまう。 楽器を弾くより先に、楽器を聞き分ける耳を作っておかないと、 「今やっている簡単なコードストロークで弾くのは初心者用の省略版で、弾いていいのは今のうちだけ。」 ということがわからない。 講師側は、「最初は楽しく、難しいことは後回し。」と思って簡略化した初心者用アレンジで教えるが、習う方は「あ、こんなに簡単に出来てしまうんだ。」 と思ってしまう。 うまくなりたいのであれば、楽器を聞き分けて、コードを聞き分けて、ベースを聞き分ける耳が絶対に必要だ。 時間がかかってもいいから、音楽を聴くトレーニングが必要なのだ。 うまくなりたいのであれば。
by studio_do
| 2023-05-09 23:12
| 音楽
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