少し間が空きました。
今回は、PAの永遠のテーマである”ハウリング”です。 ハウリングとは、スピーカーからの音がマイクに入り、またスピーカーから 出ることによって、発振してしまうことです。 ハウリングの原因は、一般的には マイクゲインの上げすぎと思われていますが、実際にはそのハウスの部屋と PAシステムを含めた音響特性がフラットでなく、どこかの周波数にゲインが高いところ があるせいです。 部屋の周波数特性がフラットでない理由はいくつかありますが、一種の鳴き竜現象と考えるのが分かりやすいでしょう。 ややこしく言うと定在波が立つってやつですかね。 部屋というのはスピーカーから出た音が、いくつ経路で反射してお互いに干渉しあって減衰していくものですけど、部屋の形状や壁の材質などの関係で反射した音の位相が一致してしまって音が減衰しない状態が起こることがあります。 その現象が可聴周波数範囲で起こるとハウリングするわけです。 この現象では、いつも同じ周波数でハウリングするのが特徴。 対策としてはミキサー卓やそのあとに繋がったグラフィックイコライザーで、その周波数のゲインを下げるのが一般的。 慣れてくると音を聞いただけでその周波数が分かるようになります。 慣れるまではA=880Hzを頼りに考えましょう。 そうやってグライコで対策しても、その周波数だけ残響が長いことには変わりありません。 グライコで対策する前に、スピーカーの向きを少し変えてみましょう。 音の反射経路が変わり、意外とハウリングしなくなることがあります。 ハウリング対策が出来たかどうかは、マイクのフェーダーをハウリングする寸前まで上げていってどこまで上げられるかで判断します。 実際に使いたいフェーダー位置と比べてそこからどこまでフェーダーが上げられるかをハウリングマージンと言います。 フェーダーを上げたマイクの前で、手をお椀型にしてかざしてハウリングするようなら本番でもハウリングするかもしれません。 ミキサー担当がフェーダーをいじっているときには、こんなことが頭の中に渦巻いているわけです。
by studio_do
| 2006-06-03 01:57
| PA入門
|
Comments(0)
|
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 01月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 02月 2022年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 07月 2021年 02月 2020年 10月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 09月 2019年 07月 2018年 06月 2018年 02月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 06月 2016年 03月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2014年 07月 2013年 12月 2013年 04月 2012年 09月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2010年 12月 2009年 09月 2009年 03月 2008年 12月 2008年 05月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 04月 2006年 12月 2006年 10月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 10月 2005年 03月 フォロー中のブログ
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||