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移動ド

 ベースは習うもの、という話が以前にあったが、普通に習いに行って
譜面でラインを指示されて、あるいはラインを作るように言われて弾いていると
固定ドになってしまうらしい。
 
 ベース弾きにとって「固定ド」というのは忌み嫌うべきシステムであって、頭の中は
常に「移動ド」にしておかねばならない。
 義務教育の音楽教育は移動ドだが、ピアノを中心とする専門音楽教育は固定ドであって、
それは譜面至上主義のせいだ。
 譜面の通りに弾いて、作曲も譜面で書くということをしている限り、固定ドでも支障は無い。
 
 固定ドの欠点は、音の役割を示す記号が無いということであって、ハ長調のE音も
ニ長調のE音も同じ記号で表されてしまう。
 移動ドで言うと、ハ長調のE音は「ミ」だが、ニ長調のE音は「レ」だ。
 ミはトニックの3度だが、レはドミナントの5度であって、この二つを同じ記号で
呼ばねばならぬとは不幸なシステムである。

 さて、何故固定ドになってしまうのかと思うと、譜面を使って音を考えてから弾くからであって、
移動ドで弾こうとするときには、譜面を使ってはならない。
 レコードのプロをコピーするときには譜面に落として音の動きを視覚で感じるもは重要だが、
一旦コピーしたあとは、もう譜面を捨ててルート音との相対関係で弾くべきである。
 
 極端な話し、弾いている音の音名など分かっている必要は無い。
 指板上での距離さえ分かっていればそれでよい。
 でも、これはベースだから出来ること。
 ピアノ弾きは全部の調性で指使いを覚えるしかないのよね。
by studio_do | 2008-05-04 00:05 | jazz | Comments(0)
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